なんどねずみ

名古屋で暮らす会社員の雑記ブログ

半身社会という提言「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」感想

なぜ好きでない仕事に全力なのだろう…?

突然ですが、私は残業が多めの会社で働いています。毎日2~3時間の残業はあたりまえ、深夜0時を過ぎても誰かは残業しているような環境です。あまり仕事が好きではないので、本当は毎日定時であがって、アフターファイブはプライベートの時間に充てたいです。まだ独身だから残業も受け入れていますが、結婚して子供ができたら、この働き方を続けるのは難しいと思っています。今の時代、共働きでないと収入面で厳しいですし、パートナーにこれまでのキャリアを捨ててまで専業主婦になることを押し付けたくないですし。

同僚の中には結婚して子供もいて共働きなのに、自分以上に残業している人もザラにいます。こういう人を傍から見ているとモヤモヤします。正直、自分は将来こうはなりたくないな、と。家庭も大事にしたいと思っているので、家庭も仕事もほどほどに取り組みたいと考えていました。何で好きでもない仕事を全力で働ける人がいるのがずっと疑問でした。その理由が「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」を読んでスッキリしました。書店で平積みされており、タイトルに興味を持ち購入しました。

現代は新自由主義社会。これは自己責任と自己決定を重視し、競争心をあおり「自分から」戦いに参加させようとする思想。個人が長時間労働を望み、頑張り過ぎたくなってしまい、結果としてうつ病燃え尽き症候群といった精神疾患に至るような社会構造であると指摘されています。

全身全霊をやめよう、半身社会という提言

この本で提言されている「半身社会」という考え方には同意しかないです。

「半身社会」を簡単に説明すると、みんなが全身全霊で働く社会が行きつく先は、うつ病の増加や少子化であり、日本に溢れている「全身全霊」を信仰する社会をやめ何事にも「半身」を取り入れ、働きながら本が読める社会をつくろう、ということです。たとえば働き方であれば1日8時間労働+残業だけでく、週3日勤務も当たり前の社会に。仕事や家事や趣味、さまざまな場所に居場所をつくって、他者の文脈を取り入れる余裕が持とう、ということです。

よく職場と家庭以外の第三の居場所「サードプレイス」を持とう、と言われますが、これに近い考え方だと思いました。全身全霊で仕事に打ち込んでしまうと、視野が狭くなり、自分と異なる考え方を受け入れる余裕がなくなりがちだと思います。多様性を尊重する時代だからこそ、半身で働ける社会にしていきたいです。

まとめ

自分が全力で働く同僚に感じていたモヤモヤと、半身社会という考え方を紹介しました。「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」は面白くて、あっという間に読破してしまいました。心の余裕のなさを解消するヒントになる本だと思いますので、興味を持った方はぜひ読んでみてください。