なんどねずみ

だいたい名古屋

理髪店の常連

名古屋 大須で見かけたお気に入りの看板…本文とは関係ありません。

ここ1年くらい近所の理髪店に通っている。以前は1000円カットに通っていたくらい、髪型に強いこだわりは無いのだが、気まぐれで一度だけ百貨店の理容室で散髪してもらったことがある。

百貨店でも1000円カットでお願いするときと同じように「前髪は眉の上くらいの流さで、耳がしっかり出るくらいで」と注文をした。カットが始まってしばらくしてから、理容師さんから「お客さん、前回は普通の床屋さんでカットされましたか?」と聞かれた。最初、どういう意味なのかわからなかったが、1000円カットのような格安の店だと、見える部分の髪だけカットするので、たとえば頭頂部の周りはカットを省くことが多いそうだ。なるほど、言われてみれば1000円カットに通うようになってから、風呂上りに髪が乾きにくいような気がする。

こういう話を百貨店の理容師さんから聞いてから、1000円カットはやめた。とはいえ百貨店は少々値段が張るので、通い続けるのは経済的にも大変だ。百貨店と1000円カットの中間くらいの料金で、近所で個人経営の理髪店があったので、そこに通うようになった。

親子で営んでいるお店で、予約制ではなく、来店順で施術されるタイプのお店だ。お父さんと息子さんのどちらに当たるかはランダムなのだが、自分は息子さんに当たることが多い。息子さんは40代くらいで、口数は少ない無口な方だ。口数が少ないとはいえ、当然カットを始める前には「今日はどうなさいますか」と聞かれる。僕はいつもどおり「前髪は眉の上くらいの流さで、耳がしっかり出るくらいで」と答える。

ここ最近、息子さんに当たったときは、その会話も無くなった。注文を聞かれることなく、席に着くとカットが始まる。いきなりバリカンで襟足をやられるので、所望の髪型に仕上がるのか少し不安だ。でも、そんな気持ちは杞憂で、バシッといつもの髪型に仕上げてくれる。

常連になれた感じがして、ちょっとうれしい。会話は無くとも居心地がいい。アラサーにして人生はじめての常連だ。