なんどねずみ

だいたい名古屋

ドキュメンタリー映画「チョコレートな人々」を観てきました

東海テレビ制作のドキュメンタリー映画

愛知・豊橋市のチョコレートメーカー「久遠チョコレート」に密着したドキュメンタリー映画を見てきました。

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東海テレビの制作で、毎年ドキュメンタリー映画を出しています。名古屋に住んでいるので、地元のテレビ局を応援したい気持ちもあります。おもにミニシアターで上映されていて、公開終了後はDVD化や配信もないです。毎年見に行きたいとは思っているのですが、気づいた頃には上映期間が終わっている…ということがよくあります。今年はちゃんと観に行くことができました。…なのですが名古屋の映画館では公開が終わっていたので、浜松の映画館「シネマイーラ」まで行ってきました。上映最終日に滑り込み、ギリギリセーフ。

私が見たことがある東海テレビのドキュメンタリーは「ヤクザと憲法」「さよならテレビ」の2作品。どちらも深刻で重めの内容でした。うまく言えないですが、東海テレビのドキュメンタリーって「世の中のこうあるべき」みたいなメッセージの押し付けがなく、事実を淡々と伝える感じです。(2作品しか見てないですが…。)だから見たあと悶々とした気持ちになります。視聴者に考えさせるのが、監督の意図なのかもしれません。

多様性について自分なりに考えてみる

「チョコレートな人々」はポスターの雰囲気から、これまでよりライトな内容なのかと思ってましたが、全然そんなことなかったです。特別支援学校の卒業生の3分の2は就職できずに福祉施設に入る、障害者が福祉施設で働いて得られる賃金は月5000円…福祉の現場を知らない私にとっては衝撃的な内容でした。

私はメーカー勤務なので、会社の同僚は健常者・理系出身・男性という属性の人がほとんど。対して久遠チョコレートでは従業員の9割が障害者+女性なんだそう。チョコ作りの工程を細かく分けて、働き手に作業を合わせる。一般的なメーカーでは品質を担保できないので、作業者ごとに工程を変えることはふつう避けます。分野は違いますが、ものづくりに携わる者としては興味深いし、あらゆる人が働きやすい職場は理想的だと思いました。

小中学校、高校、大学、社会人と、歳を取るにつれ、まわりの人の多様性が薄れていくように感じています。小学校では同じクラスに知的障害を持った子や、児童養護施設に預けられている子がいました。それが受験や就職でフィルタがかかって、だんだん自分に近い属性の人ばかりでまわりが固められていく。そんな感覚があります。多様性だ何だといっても、結局のところ、似たようなバックグラウンドの人たちで群れているんですよねぇ。そういえば同じクラスだった知的障害者のTくん、いま何してるのかなぁ。

似た者同士で群れていたほうが摩擦は少ないはずです。自分と考え方や属性が異なる人と共生していくには、それなりに覚悟も必要だと思います。私はみんなで覚悟を決めて、多様性を認める社会であってほしいなぁと漠然と思ってます。今は健常者ですが、いつ障害者になってもおかしくないと思うので、自分がそういう立場になったときのためにも。

なんか全体的に薄っぺらい感想になっちゃいました。ドキュメンタリーを観ると、自分がいかに世間知らずか気付かされます。自分の常識は他人の非常識なんだろうなぁ、なんて思いました。